狛江の古墳5 狛江古墳群~和泉支群その2

経塚古墳は狛江駅からほど近い泉龍寺北西側に位置しています。この古墳も以前はフェンスには囲まれていましたが施錠はされておらず、近くにベンチも置かれていました。直径約40m、高さ約5.0mを測る円墳です。
経塚古墳

再び訪れて見ると前面には新しい道路が走り、隣にも大きなマンションが建っていました。マンション建設の際にこの古墳は土留めをされて保存されることになったそうです。以前よりも見晴らしが良くなりました(2011年5月撮影)。墳丘上にはかつて中世の板碑が多数あり、常滑産の蔵骨器も確認されていることから、中世には墳墓として再利用されたものと考えられています。
現在の経塚古墳

経塚古墳から西方向に進むと兜塚古墳に至ります。公園化されていて狛江古墳群の中では最も保存状態が良好な古墳です(東京都指定史跡)。墳丘に立ち入ることもできます。直径約30m、高さ4.0mを測る円墳です(2011年12月撮影)。
兜塚古墳

墳丘付近には石材が見られますが、葺石ではないそうです。周溝状の落ち込みも見ることができます。公園の柵にはこんな看板がありました。犬ちゃんのお散歩時には注意しましょう。
犬看板

兜塚古墳から北方向に進むと白井塚古墳があります。直径約36m、高さ4.0mを測る円墳です。民家の敷地内ですが道路側から見学することができます。墳頂には稲荷社があります。写真は昔のものですが、現在は墳丘の手前に建物が建っていて、少し見えづらくなっているようです。
白井塚古墳

これまでご紹介してきた和泉支群の古墳は中和泉に所在しています。これらとはやや離れた元和泉には狛江古墳群唯一の前方後円墳である亀塚古墳があります。亀塚古墳についてはいずれご紹介したいと思います。
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狛江の古墳4 狛江古墳群~和泉支群その1

和泉支群は小田急線狛江駅から至近距離にあります。3支群の中では一番多くの古墳が残されています。狛江古墳群を見学するには一番お手頃な支群だと思います。

かなり昔になりますが、駅付近で古墳を撮影したものがあります。これが駄倉塚古墳だと思います。当時は大きなお屋敷の敷地内にありました。直径約40m、高さ4.0mを測る円墳です(1993年5月撮影)。
駄倉塚古墳

再び訪れると、お屋敷は撤去されていました。その後、どうなるんだろうと思っていましたが…。
現在は写真のように建物と道路によって囲まれ、かろうじて保存されています。久し振りに訪れてみたので周囲の変貌ぶりに驚いてしましました。再開発によって残されただけでも良いと言えるのかもしれません(2008年11月撮影)。
現在の駄倉塚古墳

市役所付近のバス停の後方には東塚古墳があります。お屋敷の敷地内にありますが、道路側から墳丘を見ることができます。直径約35m、高さ5.0mを測る円墳です(2008年11月撮影)。
東塚古墳

現在は樹木に覆われていますが、以前は畑地側から墳丘の断面を見ることができました(1993年5月撮影)。
東塚古墳墳丘断面

東塚古墳から南方向に進むとアパートの横に松原東稲荷塚古墳があります。写真は両古墳の位置関係です。右手の森が東塚古墳、左手奥の森が松原東稲荷塚古墳です。
東塚古墳と松原東稲荷塚古墳

松原東稲荷塚古墳は直径約34m、高さ約4.0mを測る円墳です。周辺が竹林となっています(2011年5月撮影)。
松原東稲荷塚古墳

墳頂には社があり、その前には石材が観察できます。埋葬施設は礫槨と推測されています。槨とは木棺を被覆する施設で、礫槨は関東ですと行田市埼玉古墳群の稲荷山古墳や群馬県藤岡市の白石稲荷山古墳等が思い浮かびます。
松原東稲荷塚古墳墳頂

その2に続きます。

狛江の古墳3 狛江古墳群~岩戸支群

今回は岩戸支群で見学することのできる古墳をご紹介します。

岩戸地区は北と南に分かれ、東側で世田谷区と接しています。

橋北塚古墳は駐車場内にフェンスに囲まれて保存されています(岩戸北所在)。遠くからだと竹林にしか見えません。直径約23m、高さ3.0mを測る円墳です(2008年11月撮影)。
橋北塚古墳

橋北塚古墳から東方向に進むと、土屋塚古墳がマンションの駐車場に保存されています(岩戸南所在)。平成16(2004)年に発掘調査が行われ、周溝から多量の埴輪(円筒・形象)が確認されました。直径約35m、高さ4.4mを測る円墳ですが、墳丘の東側に造り出しと呼ばれる張り出しが存在することが確認されました(2008年11月撮影)。
土屋塚古墳

施錠されていて中に入ることはできませんが、フェンスの外から墳丘を見ることができます。
土屋塚古墳

土屋塚古墳の出土遺物は狛江市役所の展示コーナーで見ることができます。それによると円筒埴輪の作り方から上毛野(現在の群馬県)との共通性が窺えるそうです。
土屋塚古墳出土埴輪

狛江の古墳2 狛江古墳群~猪方支群

さて前回、猪方小川塚古墳をご紹介しました。市内には多くの古墳がありましたが、その多くは湮滅してしまいました。それでもそのうちのいくつかは市街地の中に保存されています。

狛江古墳群は小田急線和多摩川から狛江駅周辺にあります。分布状況から地名にちなんで、西から和泉・猪方・岩戸支群に分けられています。

猪方小川塚古墳はこのうち猪方支群に属しています。今回確認された横穴式石室は保存されるそうです。今後どのような形で保存・公開されるのか楽しみです。

さて、猪方小川塚古墳から少し歩くと道路沿いの畑地の中に古墳が見えてきます。それが前原塚古墳です。直径約21m、高さ2.4mを測る円墳です。埋葬施設はこれまで横穴式石室の可能性が指摘されていましたが、近年の調査により竪穴系のものと考えられるようになりました(2012年5月撮影)。
前原塚古墳

前原塚古墳からさらに東に進むと清水塚古墳があります。民家敷地内にありますが、道路側から見学することができます。直径約20m、高2.5mを測る円墳です。墳頂に稲荷社が見えます。現在の裾部付近には石材がありますが、古墳と関係あるのでしょうか。
清水塚古墳

狛江古墳群を訪れるには世田谷区立郷土資料館発行『多摩川流域の古墳Ⅱ―狛江・砧古墳群―』という冊子が薄くて持ち運びにも便利です。

狛江の古墳1 猪方小川塚古墳

さて先日、狛江市の猪方小川塚古墳の現地見学会に行ってきました。
江戸時代の地誌である「新編武蔵風土記稿」には百塚として紹介され、市内には多くの古墳があったものと考えられています。しかし、残念なことにそれらの多くは調査されることなく湮滅してしまいました。

狛江古墳群の特徴は比較的規模の大きな円墳が短期間に集中して築造され、埋葬施設が横穴式石室が導入される以前の竪穴系のものであることから初期群集墳と呼ばれています。狛江古墳群は埋葬施設が明らかになっているものは少なく、横穴式石室の存在が推定されていたものが、竪穴系のものと改められたりして不明な点が多くありました。

そうした中で、猪方小川塚古墳は発掘調査によって横穴式石室を埋葬施設とする古墳であることが初めて明らかにされました(2012年10月撮影)。
調査前(現地パネルより)

猪方小川塚古墳の規模は直径約22m、高さ約3.0mを測る円墳で、埋葬施設は切石積みの横穴式石室です。
猪方小川塚古墳

現地では玄室、前室とあるので複室構造であることがわかります。羨道は破壊されてしまったのでしょうか。床面には河原石が敷かれています。
猪方小川塚古墳横穴式石室

床面から耳環や鉄鏃といった副葬品が出土したそうです。現地で展示されていて見学することができます。
猪方小川塚古墳出土遺物

市内でこれだけのものを見る機会はそうないと思います。現地見学会は今月の21日(日)にも開催されるそうです。最寄駅は小田急線和泉多摩川駅です。
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Author:kame-naoki
カメさんと遺跡巡りが趣味のおじさんです。

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